まるごと食べる人参ジュース、丹波人参クラブ

人参の甘みと、とろりとした濃さ、香りをダイレクトに感じる「食べるジュース」、人参ジュースの「人(にん)」。
その「人(にん)」に使われている人参のふるさとを訪ねて、丹波市市島町は与戸へ。

青い空のもと広がる豊かな田園風景に囲まれて、「丹波人参クラブ」の3人の男性からお話を聞くことができました。

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「この人参ジュースの一番のおすすめポイントは、やっぱり栄養価です」と言うのは高見康彦さん。
ここで育てられている人参そのものも、非常に糖度が高くまた硝酸態窒素(※1)の値が低いということが評価され、
オーガニック・フェスタ2014の栄養価コンテストで団体優秀賞を受賞しています。

「でもそれだけじゃなくて、製法にもこだわっているんですよ。
ジュースを作るときの殺菌を通常よりも低い温度で行っているので、
熱によって野菜の栄養価が壊れてしまうということが起こりにくいんです」。

だから、抗酸化作用の強いB-カロチンがジュースの中にも豊富なのです。
ただ低温での殺菌方法では皮に付着した菌が取れません。

「だからその分、皮は一つ一つ人の目で確かめながら手で剥いているんです」。

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材料から工程にいたるまで一つ一つこだわりぬかれた一瓶。
原料の98%が人参で、国産のレモンと梅エキスが配合されています。
また、添加物や香料、甘味料の添加がないので人参そのものの味が楽しめます。
それなのに驚くほど甘いのはやはり、使われている人参そのものが上品な、
それでいてしっかりとした甘みを持っているからに他なりません。
そのままスティックで食べても甘くて美味しい人参。この甘みの秘密はなんでしょうか。

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〇梅内さんが「試作品」として作られた5月に収穫できる人参。「色が悪いですが…」とおっしゃいますが、
このように端境期(はざかいき)に収穫できるものなどさまざまな方向からチャレンジをされています。

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「無農薬で育てているのはもちろん、除草剤を使わず雑草が生えないような土の作り方なども
勉強してこだわっています。
人育てでも、野菜や米を育てるのでも『一生懸命するときちんと結果が出る』ということを感じます。
サボってしまうとやっぱりうまくいきません」新規就農の若者の研修を受け入れ、
また地域の少年野球のコーチもされるなど、面倒見の良い人柄から周囲に頼られている存在である高見さん。
お米や野菜を育てるのにおいても横のつながりを大切にされています。

「丹波という土地は新規で農業を始められる方も住みやすい土地になっています。
グループでつながって、おいしくて栄養の高い野菜を育てる育て方やデータを共有したり、
勉強会をしたりしています。オーガニック・フェスタの栄養価コンテストでも、丹波市では全員が受賞できたんですよ。
この土地に合わせた作り方を学んでいるということで、『丹波市のおいしい野菜』がみんなで作れていると思います」。
45歳以下の若い就農者のグループ「大空の会」ではイベントや交流の機会が豊富にあり、
仲間と一緒に農業を営むことができるのだとか。

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氷上町に生まれ育ち、お父様にならうようにして農業の道に進まれた宮垣剛さんも、
高見さんと同じグループでお米やお野菜を作られています。宮垣さんもとても勉強熱心で活動的。

「関西や東北など、いろいろなところに勉強にいきました。
科学的根拠に基づいて、土の栄養価を測って、足りない部分を補っていくという方法を学びました」。

また新規就農で伊丹市から丹波市に来られて2年目になるという梅内稔さんは、
有機野菜の作り方を学ぶという想いをもって高見さんのところで研修をされたのだそうです。

そのまま飲んでもおいしい「人(にん)」ですが、
シンプルな人参の味が生きているのでさまざまなアレンジも楽しめます。

「夏場でしたら無糖のソーダ―水で割ったり、そこに100%のミカンジュースを加えても清涼感が味わえます。
あと、スムージーに使ってもおいしいです」

無添加で栄養価も高く、楽しみ方もいろいろな「人(にん)」。
生活の中に息づく存在としていつも手にしていたくなるような、思い入れのある一瓶です。
お三方それぞれがもつ、ていねいで熱い、野菜作りにかける想い。
それが凝縮されたのが「人(にん)」であるといえるのかもしれません。

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※1硝酸態窒素…植物の成長を促す窒素ですが、窒素肥料を与えすぎると硝酸態窒素が増えすぎてしまいます。
過剰な硝酸態窒素は人体の中で亜硝酸態窒素へ変化し、血液のヘモグロビンと結合して
酸素欠乏症を起こすなどの危険性が指摘されています。

【「人(にん)」を飲んでみたい方は…】
丹波市内であれば市島町の高見康彦さん宅、また氷上町の宮垣剛さん宅でお取扱いしています。
神戸のナナファームでもお取扱い有。
また市内・市外、県外にも発送をしています。

 

【農家の季節のお野菜セット】
梅垣稔さんは旬にこだわったお野菜を関東地方等各地に配送しています。
それぞれの季節に応じた野菜を畑から収穫してそのまま、新鮮なうちにお届けしています。
※3月1日から5月25日あたりは端境期のため発送はお休み

高見 康彦・宮垣 剛・梅内 稔|丹波人参クラブ

宮垣剛
0795-82-7078(留守番電話でもお問い合わせ受け付け中)
丹波市氷上町鴨内146

高見康彦(各地発送受付)
0795-85-1912/090-3359-1452
丹波市市島町与戸1076

梅内稔(農家の季節のお野菜セット)
080-3110-7779
ブログ http://ameblo.jp/tawawaniminoru0831/

interview / writing : asako saiki
2014.04.15