蔵、一丸となり酒造り。西山酒造場

 

木造の大きい、そして粋な建物に足を踏み入れた瞬間、元気で暖かい「よろしくお願いします」の声。
蔵人の荻野さん、織田さん、青木さんに連れられて、
西山酒造場の取材は酒造りの現場を見学させていただくツアーから始まりました。

予約をすれば案内してもらえるというこの蔵見学では、用途によって違う酒米の量や浸水時間、
麹にとって心地よい温度にしつらえられた麹室、お酒を発酵させる仕込み部屋などを見ることができます。

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西山酒造場の大きな特徴の一つが「フレッシュローテーション」という製法。

多くの酒蔵が冬の時期に仕込みを完了させるという製法を取っているのに対し、西山酒造場のお酒は年間を通して仕込まれているので、お客様に届けられるお酒は常にフレッシュ。そのためそれまでの日本酒のイメージとは違った、フルーティで繊細な仕上がりになっています。

「フレッシュローテーション」をしているのは、お酒だけではありません。

「自分の担当や持ち場はありますが、僕たちも蔵の中で持ち場をローテーションしています。持ち場を変えていくことで、誰でもどこでも担当できるという状態にしています。全員で力を合わせて造っています」と話す織田さん。
酒づくりだけでなく“人づくり”にも工夫が見られ、蔵人の皆さんの雰囲気からも楽しさが感じられます。

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「日本酒造りの基本は添、仲、留の三段仕込みです。酒母はたとえるならお酒のお母さん。
その酒母を元にして、3回に分けて少しずつ量を増やしながら仕込んでいくんですよ」

ぶくぶくと出てくる泡は呼吸をしているさま。

「桶掃除をするときに顔を入れると、それだけで目が痛くなってしまいます」と青木さんが語ってくださったほど、
多量の炭酸ガスがふきだし、タンクの中には無数の命がひしめいています。

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普段目にする瓶に詰められた製品になるまでには、多くの時間と工程を経ていることが感じられます。
開かれた工程の中で「蔵人としての自信を持ちつつ、時代の流れを敏感に感じとって、お客さんに喜んでもらえる、お客さん中心の酒造りを常に考えています」と力強く語る荻野さん。製造の過程にも常に工夫を施せないか考えながら、前向きな姿勢でつくっています。

酒米の種類で瓶の色を変えて「お客様目線でわかりやすく」を第一に考えられている商品展開。
商品や瓶のデザインはもちろん、酒蔵や制服にいたるまで一人の芸術家が手がけていることもあり、蔵全体に粋な世界観や統一感があります。また、従業員の半数以上が女性という酒蔵としては珍しい構成ですが、女性ならではのアイデアが多く取り入れ、スイーツやヨーグルト、化粧品などはお酒が好きな方はもちろん、お酒を普段飲まない方にも親しまれている商品です。

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「『小鼓は日本酒が飲めない私でも美味しいと思うお酒です』とよく言っていただきます。
私自身も日本酒ってお父さんが飲むもの、悪酔いするとか良いイメージがあまりなかったんです。
でも小鼓を飲んだ事でそのイメージが変わったんです」

地元丹波で革新的な製品作りをしている西山酒造場に魅力を感じられたという竹内陽子さん。
女性ならではの柔軟さを生かした企画を立てています。

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「日本酒に含まれるアミノ酸や麹酸には美容効果も期待できますので女性にとっては嬉しいですよね。
小鼓の製品が今後女性の生活に欠かせないものになると嬉しいです。
第二ブランドの『真!!素滴(まあすてき)』では、質にこだわった化粧品やお酒などを展開しています」

日本酒に苦手なイメージを持っている女友達に、本物志向の女友達におすすめしたい酒蔵。
そこには「日本酒」をもっと身近に感じられる、創造力あふれた新感覚の出会いがあるかもしれません。

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interview / writing : asako saiki

| Information |

西山酒造場
Web  通販可能 |西山酒造場ホームページ
http://www.kotsuzumi.co.jp/officialweb/
米の発酵で世界へ。酒蔵直送の店「鼓屋.com」
http://www.tsuzumiya.com/
麹、酵母、酵素の魅力をお届けします。「真!!素敵」ブランド
http://www.maastequi.com/
電話番号 0795-86-0331
兵庫県丹波市市島町中竹田1171
営業時間 9:00〜17:00
店舗でのクレジットカード不可