広瀬農園
全域において農業が盛んな丹波市。
その中で氷上町の本郷という場所は古くから『本郷いちご』『本郷トマト』の名前で広く知られ、品質の高さに一定の評価を得てきました。
その本郷地区にある広大な農園。
広瀬農園の吉住 隆史さん・千春さんのご夫妻はここで四季折々さまざまな農作物を栽培しています。
広瀬農園での一番の売りは何と言っても自社ブランド「丹波の赤鬼姫」のトマトとイチゴ。
特に5月下旬から収穫されるというトマトは酸味を抑えてトマトの味をしっかり味わえる仕上がりになった自慢の逸品です。
ハウスには数々の夏野菜とともに100メートル向こうまでずらりと並ぶトマトの苗、そして苗からすでにふわりと立つ、トマトの香り。
トマトを育てるうえでは温度管理や土の作り方にも工夫を怠りませんが、収穫の時間帯にもこだわっています。
トマトの収穫を始めるのは毎日朝4時。
早朝に行うことでトマトの実の中にたっぷりと水分の含まれたみずみずしいトマトになるのだそうです。
トマトが収穫される5月下旬から7月は週に6回大阪へと行商に向かいますが、行商先ではトマトを求めてトラックの到着前から行列ができていることもあるという人気ぶり。
誰かにプレゼントしたい、そんな風に思わせてくれる「丹波の赤鬼姫」トマトはお中元に贈られることもあるという「とっておき」の逸品です。
千春さんと出会う前には農業に携わることがビジョンになかったという隆史さん。
広瀬農園は千春さんのご実家で、「本当は父の代で終わるはずだったんですけど」と千春さんはおっしゃっていましたが、隆史さんが千春さんのお父様の背中を見て学ぶ形で農業に携わるようになりました。
そのかたわら自分でも本を読むなどして学んだという勉強熱心な隆史さんは「どうしても経験しないと自分のものにならない、という面が農業では大きいと思います。一年目はうまくいっても二年目はうまくいかなかったり奥深いです。農業にかかわってみて、植物の成長力ってすごいなと感じました。夢は、ここのトマトやイチゴをもっとたくさんの人に知ってもらって、体験できたり食べたりできるようなテーマパークが作ることです。」と笑顔で語ります。
ここで育ってきた千春さんは、「小さいころから手伝ったりはしてたんですけど、本格的に始めたら意外と難しくて、鍬の使い方一つでも苦労しました。でも、その場でとって食べるという経験ができるのが農家ならではの贅沢だと思います。一日置いただけでも味は変わるので」
だからこそ、収穫の時間やタイミングにこだわり、新鮮なうちにお届けするのが広瀬農園のモットーなのです。
丹波市にも、農業をしたいという思いをもって若者が移住してくることが増えてきました。
「そのような若者をもっと増やしたいというか、自分が増やしてやるという気持ちです。農業に携わる人の会というのがあるので、そういうのに入って手を取り合って仲間を作ってやれたら楽しいと思います。みんなで知恵を出し合って丹波市を発信していくようなことができたら面白いですよね」
常に明るい笑顔で、前向きに栽培に取り組んでいる様子が見て取れるお二人。
自慢のトマトのおすすめポイントをうかがいました。
「まずは食べてみてほしいです。そして食べてもらったらおいしいと思ってもらえるだけのトマトを作っているという自信があります。トマトの甘みだけじゃなくて、トマトらしさをしっかり味わえるように作っています」
自信と誇りのブランド「丹波の赤鬼姫」。
つややかでみずみずしいトマトの中に、作物と向き合うお二人の気持ちもいっぱい詰まっています。
吉住 隆史・千春 | 広瀬農園
<INFORMATION>
WEB SITE | http://www.hirose-nouen.com
電話番号/ 090-1968-6310
兵庫県丹波市氷上町本郷402
駐車場/ お問い合わせください
interview / writing : asako saiki