イタリア料理 オルモ

丹波市の中でも城下町柏原は、駅も近く、飲食店やギャラリー等新しい店舗が続々とオープンしている地域でもあります。

その先駆けともいえる存在がイタリア料理「オルモ」です。

明治時代からある町屋をリノベーションした店舗の入り口には、「オルモ」のイタリア語での意味である「欅」の文字を書かれたのれんがかけられています。

照明を柔らかく落とした店内には、かなの書家である西川寿一氏の書がかざられ、店内のテーブルや椅子は多可町の家具職人、笹倉徹氏によるもの。

低い天井が特徴であるの町家つくりの古民家を生かした客間からは庭が見え、季節や気候のよい折にはテラス席でくつろぐお客様もおいでだとか。

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シェフを務めるのは成田真也さん。

その経歴は個性的です。

青森県にて野球少年として育ち、公務員や海外生活をの経験もお持ちです。海外にて「食」に興味を持たれ、日本に帰ってきてから調理師学校へ行かれました。

シェフになったのは20代の終わりごろ。

旅行会社にも籍を置き、世界中の料理に触れた成田さんが、イタリア料理を選ばれた、その魅力とは何でしょうか。

「イタリア料理。僕にとっては、『かっこいい』んです。現地で出てくるお料理やお皿は素朴で飾らないものなんです。でも口に入れると驚きがあって見た目の何倍も美味しいんです。イタリアに行かれてそう感じられた方も多いと思います。だから虜になる。本能に訴えるというか」

結婚をきっかけとして丹波に来られた成田さん。

「丹波は面白いですね」と語ります。

「丹波は歴史的な面からみても京都から近いですし、いろいろな史跡をたどると面白いものがちりばめられています。私は歴史が好きなもので、お見えのお客様とお話が盛り上がり、中には織田家の末裔の方や歴史にゆかりのある方とお出会いできることもあります」

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歴史の面だけではなく、丹波市の土地や食材にも魅力を感じていらっしゃる成田さん。

野菜やフルーツを氷上町の広瀬農園さんや市嶋ブルーベリー農園さんから仕入れたり、丹波の地酒を造っている山名酒造さん、西山酒造さんとコラボレーションしたりと「ここの土で生まれたもの」を大切に料理されています。

「素材を生かした料理というのができる土地だと思います。土地に力、エネルギーがあります。お野菜やお米は丹波のもの、鮮魚は舞鶴からのものです。『地の利』というものを皆様に楽しんでいただきたいと思っています」

柏原駅から徒歩3分という立地の良さからも、阪神間からのリピーターが多いのが「オルモ」の一つの特徴です。

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「忙しい日常や街からエスケープして、ゆるりとした時間、空間を味わいに来ていただければと思っています。いかにリラックスして幸せな時間を過ごしていただけるかをスタッフ一同心がけています」

束の間癒され、リペアする空間があるからこそ、「オルモ」は丹波市の内外から愛され続けているのです。

「お客様から『楽しかった』『美味しかった』という言葉を頂戴することが一番の幸せです」

お客様の存在とそのレスポンスが元気の源だと語る成田さん。

これからの展望をうかがいました。

「イタリアやフランスではお客様がレストランに求めるものの第一に『地域性』があげられます。イタリア語では『TIPICO』といい、遠くからその土地の季節のものを食しに見えるのです。オルモも丹波の土地の恵みでそのような存在になればと考えております」

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海外生活をされていた成田さんだからこそ持てる、広く豊かな視線。

そのお人柄が、温かな空間や優しいお料理と絶妙にマッチし、居心地の良い空間を作り出しています。

非日常を味わうことのできる、ゆったりとした時間の流れ。

それは忙しさの中で忘れかけていた「何か」を思い出させてくれる時間になるかもしれません。

成田真也 | イタリア料理 オルモ
<INFORMATION>
電話番号/ 0795-73-3500
兵庫県丹波市柏原町柏原119
営業時間/ 平日 昼11:30〜14:00, 夜18:00〜22:00
    土日祝日 昼11:30〜14:30, 夜18:00〜22:00
定休日/ 毎週火曜日と第一水曜日 ※ 祝日の場合は翌日
駐車場/ あり
クレジットカード/ 可(ディナーのみ)

interview / writing : asako saiki