ひさご

「お肌の張りが変わります。コラーゲンたっぷりの天然すっぽんを召し上がりに、女性の方がよくいらっしゃいます。おひとりでブラっと来られる方も居られるんです」とツルツルのお肌で話して下さったご主人の眞鍋さん。

牧山川に面する薬草薬樹公園のほど近くに佇む茶寮ひさごは、森を背後に構え、大自然の美味しい空気を味わうところからおもてなしが始まります。
玄関正面に飾られている絵画や書は、節目節目に交換され、いつ訪れても新鮮です。
また、昭和初期のテレビや、懐かしの書物、表面のみ色塗られた稲畑人形が飾られ、小さなギャラリーも楽しめます。

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店内は落ち着いた和室であり、いたる所に文化や書物を愛されているご夫婦の気配りが感じられます。

「お客様から丹波の良さを教えていただくんです。また、大自然に囲まれた山南町に居住することにより、心が豊かになれると同時に、旬を感じながら自然を背負って生きることが幸せです。」と眞鍋さんは朗らかに微笑んで話されます。

かの北大路魯山人ゆかりの料亭で料理の基礎を培ってこられた眞鍋さん。

「器は食の着物である」
北大路魯山人が説いたこの言葉を大切にされています。
丹波市内の陶芸家から食器を揃え、「料理は生き物であり、器は身嗜みなんです。なので、料理が引き立つ器選びも、お客様に楽しんでいただける、一つのおもてなしです。」と話され、目で嗜む料理を引き立て、最高のおもてなしをされています。

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山南町の自然の風景を目で味わい体感し、その後落ち着いた店内で食す旬の素朴なお料理が、疲れた体を癒してくれます。
また、休日になると学びを得るため、奥様とともに各地へ足を運ばれます。
時代の流れや味覚など、常に研磨されているところも、眞鍋さんの魅力の一つです。

『日本料理は70%が素材、20%が水で味が決まる。』

茶寮ひさごが佇む挟宮神社には、名水が湧き出ており、料理の仕込み段階から湧き水を使用しています。
その味は、繊細で優しく、今まで口にした料理であっても、初めて食べる上品な味だと驚きを感じます。

「料理は、素材を生かして美味しく食べることが大切。家庭でも家族の為に料理の腕を振るっており、子どものお弁当の日は、必ず作っていました。」と愛情溢れ優しく語られる眞鍋さん。

この優しく穏和な眞鍋さんが腕を振るわれる料理は、人柄がにじみ出ており、普段のしがらみを吹き飛ばし、心に癒しのエッセンスを落としてくれる、素材の味が活き深く甘い味わいです。

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「日本酒を嗜むのであれば、パッとあてが出てくるのが嬉しい。」

そんな想いで、五種の山菜に三種の自家製味噌(すっぽん味噌・フキ味噌・漢方味噌)と、すっぽんだし巻き玉子を用意されています。
自家製味噌のみでも日本酒が何杯もいただける、癖になる美味しさが口の中に広がります。
また、すっぽん味噌は嬉しいことに、購入し自宅で味わうことができます。
その他にもすっぽん漢方飴と黒豆うどんと、自家製お土産を販売されています。
疲労回復、美容と健康維持に効果ある、優しく嬉しい料理が待っています。

茶寮ひさごには、カウンター席が5席あり、予約制ではありますが料理人眞鍋さんとゆっくりとお話しができる特等席です。

「恥ずかしがり屋で、苦手なんですよ、お客様と話すのはね。」と照れながら話される眞鍋さん。

しかし、とても優しい表情で、包み込むように様々な事をお話ししてくださいます。

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文化や歴史を愛する眞鍋さんは、「ここに到達するまでに、若い頃に料理の冒険を一通りしてきました。辿り着いたところは、素材の味を大切にすることでした。」と話され、心と味覚に優しいものを提供されています。

女子力を磨きに、素敵な眞鍋ご夫婦に出会い、芸術や哲学や美について語りに足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

ひさご
<INFORMATION>
電話番号/ 0795-76-0089
兵庫県丹波市山南町和田132-1
営業時間/ 昼12:00〜14:00, 夜17:30〜21:00
定休日/ 毎週月曜日, 年末年始, 臨時休業あり(お問い合わせください)
駐車場/ あり
クレジットカード/ 不可

interview / writing : Jyuka Oka